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012「青の肖像」

photo/猿田 祐樹
text.interview/MMMatsumoto(MARQUEE)

 今年2022年頭から始まった群青の世界×MARQUEE企画「青の記録」も今回で最終回。毎月1回のライブイベントと撮影&インタビュー更にはライブ会場限定での小冊子発行という内容で、お楽しみいただけましたでしょうか? 個別インタビューを始め、初公開の貴重な発言も多々あったかと。それも含めてエンターテインメント、アイドル活動というものだと感じます。ありがとうございました。
 さて最終回、今日のテーマは「青の肖像」です。これまでのアイドル活動を総括していただこうかと。群青の世界を通して何に葛藤し何を得てきたか。そのことで群青の世界に対する気持ちがどう変化してきたかというお題です。
 1年間ありがとうございました。メンバー、スタッフさんもお疲れ様でした。

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■一宮ゆいの場合

一宮 まずアイドルは未経験から始めて、右も左も分からないところからスタートでした。だけど、大きな希望を抱いてこの世界に入ってきて、頑張っていこうとして行く中で、自分が思っていたよりも出来ないことだったりとか、思い通りにいかないことが多かったです。その理想と現実の差を埋めるべくずっと活動をしてきた感じです。だから多分、アイドルをやる前はすごく人より自信のある性格だったと思うんですけど、この世界に入ったら自分より優れた人はいっぱいいるし、可愛い子もいっぱいいるし、人気のある子もいっぱいいるし、「ああ、自分、まだまだだな」って思って、もっと歌もダンスも、あと顔も可愛くなって、SNSも頑張らないとなみたいなので、いっぱい悩んでました。
 

――具体的に、一番最初に悩んだことって何ですか?
 

一宮 やっぱりレコーディングして全然歌えなかったです。すごく緊張しちゃって、もう心音が入っちゃうんじゃないかぐらい(笑)。だけど、この間の新曲のレコーディングの時に、初めてあんまり緊張しないでレコーディング出来たから。4年目で(笑)。ナチュラルに歌えるようになりました。
 

――今振り返ると、何に緊張してたんだと思います?
 

一宮 多分、上手く歌えるかどうかっていうのもあるし、歌った後にすぐ自分の歌を聴くんですけど、それが下手くそすぎて、それを聴いて泣いちゃったりとかすることがあったから、それも怖かったし、現実を突きつけられるのが苦しいのだったりとか、高いところとか低いところとか、滑舌良くしないといけないところとか、練習しても上手く歌えなかったりして「悔しい」とか、そういうマイナスな面を感じてしまうのに緊張していました。
 

――でも、それを克服してきたわけですよね。
 

一宮 ちょっとずつ。あんま褒められるのは得意じゃないんですけど、録ってくださる方が「ちょっとずつ上手くなってきたね」とか、「前より声出るようになってきたね」とか、そういう言葉が多分自分の自信にちょっとずつだけどつながったのかなって思います。
 

――ボイトレで特訓したんですか?
 

一宮 ちょっとずつ、ちょっとずつばっかり言ってるけど(笑)、今年に力を入れ始めましたよねボイトレは。その辺りからファンの人もそうだし、自分自身でも、ここ出なかったのに出るようになったとかはありますね。
 

――練習積むしかないみたいな話ですよね。
 

一宮 もっと自由にやっていいんだって思えるようになりました。今までは枠にとらわれて殻を破れなかったけど、レコーディングの時とかも「もっと気楽に歌っていいんだよ」みたいに言われて、気楽に歌えるようになりました。気持ちの面も大きいと思います。緊張して、レコーディングとかも、後半になってくると上手く歌えるようになるから、最後の方にまた最初に録ったのを録り直すとか、よくやってました。
 

――じゃあ、勘はもう結構つかめたんですね。
 

一宮 う~ん...いや、今やっとスタートぐらいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

――群青の世界に対する気持ちの変化についてはどうですか?
 

一宮 今は切っても切れないような感じがあります。昔はよく「辞めたい、辞めたい」って言ってたんですけど(笑)。
 

――なぜ、辞めたいと思ってたんですか?
 

一宮 病んでたから。多分、すごい考えてたんで昔は。
 

――でも、アイドルに対して最初は夢持ってきたわけですよね。それなりに自分は出来ると思ってたわけだから。
 

一宮 最初は。入る前は。でもレコーディングとかしてからは、ちょっとずつ「ああ...」みたいな。あとは、思い通りに売れなかったりとか。後から始めるグループさんの方が人気になっていって、タイテもあんまり後ろの方にならなかったりとか。そういうのも考えて「ああ、もうダメなのかもしれない」って思って。やりたいアイドルもちょっと違かったし。
 

――それも大きいと思うんですけどね。
 

一宮 かなり大きいですね。
 

――どう自分を群青の世界に同化させていったんですか?
 

一宮 私としては王道アイドルがやりたくて。可愛いのがやりたくて。実際そういうのも、例えばカバーでやらせて頂いた時も「すごい活き活きしてたね」とか言われて、やっぱそっちの方が似合ってるのかなって思う時もあるけど。でも、多分、私がいなかったら群青の世界じゃないから。「ありのままが群青の世界の一宮ゆいなんだよ」って言ってくれる人もいるから、ありのままでいいのかなっていう風に受け入れるというか。
 

――自分の幅が広がった感じはしますか?
 

一宮 そうですね。広がりました。普段歌ったりとかしないし、あんま触れてこなかった世界だし。でも、強いような曲が来て歌割りが少なくても、そこでへこんだりとかはしなくて。ちょこっと空気が変わったところでその歌割りがもらえてたら、この強い群青の世界の曲にとっては、そこの部分が自分の味になってるのかなとか、そういう前向きな捉え方をするようにしています。
 

――一宮さんは、私がすごく目立ちたいっていうタイプ? グループとして成功したいと思ってるタイプ?
 

一宮 最初は「自分が自分が」みたいな感じだったんですけど、自分以外のメンバーを推しになってくれたら、それは結果的に群青の世界のファンになってくれてるっていうことだから、最近はそれはいいかなって思ってる感じです。
 

――来年どうしたいですか?
 

一宮 この間もメンバーみんなで話し合いして。今後の活動どうしようかっていう結構重たい真面目な会だったんですけど。その時に、みんな「来年5年目も頑張ろう」みたいな感じになったんですよ。
 

――話し合いは山あり谷ありだった?
 

一宮 うーん、確かに。泣いたりとかしました。
 

――自分の言いたいことを言えましたか?
 

一宮 う~~~ん、言えました。私は目標を決めると、その目標に行った時に「あ、達成しちゃった」って終わりを迎えちゃう気がするから、あんまりゴールとか決めずにがむしゃらに頑張ることが、走り続けることが大切なのかなって思ってます。

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■工藤みかの場合

工藤  やっぱりはじめは一緒で、0からのスタートだったので。私もともとアイドルとかも詳しくなかったので、本当にとりあえず与えてくれた環境に全力で応えて行こうみたいな感じで、もう必死にやってきたって感じです。ライブも、緊張はしたけど、最初は緊張よりも楽しいみたいな。高校の時に一緒にステージに立って「楽しい」と思えたから、その延長みたいな感じで、毎回ライブ楽しんでる感じで、あんまり考えたりとかはしてなかったんですけど。
 

――いつ頃までその勢いでやれてたんですか?
 

工藤 「青空モーメント」の前頃まで、あんまり考えてなかったかもしれないです(笑)。でも、リリイベになって、毎回いっぱいライブやるから、そこから「どうしようかな」とか考えたり。あと年数を重ねていくと、毎回同じような歌い方をしてもつまらないし飽きちゃうし、って思って。もともと歌には自信があってダンスも苦手な方ではなかったんですけど。
 

――いや、得意でしょ。
 

工藤 (笑)。もう自分の好きなようにやってたんですけど、そこからちょっと「こうした方がいいのかな」と考えて練習を重ねるみたいな。そこから色々意見を聞いたりとかしました。
 

――ダンスの先生に色々聞いたりとか?
 

工藤 あんまり質問をしないタイプなんです。先生をガン見(笑)。ガン見して真似っこするみたいな。あと、今まではK-POPのダンスの真似っこしかしてこなかったけど、日本の他のアイドルさんを色々見学して、そこから変わっていったという感じですね。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――段々それで悩みは解消してきたんですか?
 

工藤 逆に自分らしさを失う気がしました。そこから結構苦戦しましたね。わりと最近までずっと歌が上手く歌えなかったりとか、プレッシャーに負けて歌詞飛ばしちゃったりとか、色々ありました。そこで、ボイトレの先生とか新しくついてもらって色々聞いたり。あとは、好きなアーティストさんのライブに行って、トップレベルみたいな人達を見て盗みつつ、自分らしさを追求して行こうかな~みたいな思考に変わりました。
 

――自分らしさを追求し始めて何が変わってきたと思いますか?
 

工藤 声の出し方は変わってきたと思うし、カワイイ曲とか苦手だったんですけど、ファンの方に「カワイイ系もわりと得意なんだね」とか、レコーディングの際に、「みかってこんなぶりっ子みたいな声も出せるんだ」とか、そこで発見があったりして、そこから「自分らしさ、なんだ?」みたいな模索を今もしてる途中です。
 

――次の段階に入った感じですか?
 

工藤 4年もやってると、毎回同じのに自分も飽きてきちゃったりするので。今のままじゃずっと毎年同じ繰り返しだし、グループとして次の段階に行くためにも、自分も変えていかなくちゃいけないなと思っています。
 

――群青の世界っていう世界観に対してはどうですか? というか、そもそも工藤さんは最初、歌って踊れればどこでもよかったということはありませんか?
 

工藤 最初はそうですね。でも、テーマを聞いた時に、もしワチャワチャ系のカワイイ系のグループだったら、オーディションに行ってなかったかもしれないです。
 

――そこは線引きがあったと。では群青の世界に対する気持ちってどうなんですか?
 

工藤 途中メンバーが入れ替わったりとか、その時は「このまま繰り返しそういうことがあったりするのかな」とか、「みんなが知ってるようなアイドルにはなれなそう」とか思った時期もありました。でも今の体制になって、もともと「大きくなりたい!」みたいな、ここで「頑張っていく!」みたいな感じでオーディションを受けて入ったので、初心に帰ったというか。「ここで頑張ろう!」みたいな感じです今は。
 

――群青の世界に足らないものは何だと思いますか? それは来年の抱負、やるべきことに繋がるかと思いますが。
 

工藤 もうちょっとお客さんを虜にするみたいな、もっと濃縮した世界観を出していくことと、それだけじゃなく、お客さんも一緒に楽しめるような、飽きさせないようなステージを作れていけたらいいのかなと思います。

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■水野まゆの場合

――水野さんは前歴があるわけです。
 

水野 でも、前で失敗というか、うまくいかなかったからこそ0から作る大変さとか、そっから成功する人達の凄さは分かってるつもりです。もう一人暮らし始めて、こういうの始めたのが高校2年生で4年前とかなんで。悩むことはもちろんいっぱいあるっていうか。
 

――主な悩み事は何なんですか?
 

水野 全部悩むけど、一番はどうしたら伸びるんだろう?です。SNSもそうだし、特典会ももちろんそうだし。そういうとこが伸びていかないと、ライブを見に来てくれる人も伸びないし。始める前や入ってすぐは、伸ばしてもらうっていう意識が強かったけど、自分の評価、価値は自分で上げていかないと周りにも見てもらえないし、自分がなりたいものにもなれないっていうのに気付いてからは、自分の見られ方とかを結構意識し始めました。身長が高いからとか、髪型もそうだけど、見られたい印象とかが自分の中であるから、それに近づくためにライブの見られ方とかを研究したり。あとは、さっきみかちゃんが言ってたダンスも真逆で、まゆは、自分に合う踊り方に変えちゃうのが強すぎて、そこから抜け出せないっていうのが強くて。殻を破れないみたいな。「怖い」っていう感情が結構あるから、そういうのにも挑戦していける一年に来年はしたいなって思います。もう来年一年に懸ける気持ちで頑張らないと。話し合いをした時に、「自分が頑張ったことは何ですか?」って聞かれて、明確にこれを頑張りましたって言えることが無いのが悔しかったから、ちゃんと言えるようになりたいなって思います。
 

――来年は何を頑張りたいですか?
 

水野 個人で言ったら、最近やっとモデルのお仕事もさせて頂けるようになって、もっと色んな仕事を出来るようになりたいし、

「納得出来る自分になりたい」っていうのをずっと言ってて。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――「納得の出来る自分」とは?
 

水野 自分に自信を持てるようにならないといけないなって思っています。
 

――そのためにはどうすればいいと思ってるんですか?
 

水野 やっぱり積み重ねるしかないのかなって思います。
 

――心配事をとにかく減らしていくとか?
 

水野 大っきいグループさんとかも、やっぱり積み重ねているものがあるから、こんなに輝いて見えるんだなって。ライブ前とかに「間違えちゃうかも」とかいう不安があること自体が、もう違うんだなって思ったら、そういうのも無くなったらいいなって思います。
 

―― 何が怖いんでしょうね。
 

水野 結構漠然とした「怖い」っていう気持ち。気にしいとか、悪い方向に考えちゃうみたいなとこが結構あるから。「こうなっちゃったらどうしよう」とか。でも最近は結構ポジティブにっていうか、ライブ中も今日は違うレスにしてみようとか、今日はあっち側見てみようとかも出来るようになってきて結構。ファンの方からも「今日のレス良かったね」とか、「今日のあそこ楽しそうだったね」って言われるようになってきて、なんとか進化は出来てるのかなって。長く見てる人って分かっちゃうじゃないですか気持ちとかが。そういうのがやっぱり「楽しい」になってもらえるようになれたらいいなって思います。

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■村崎ゆうなの場合

村崎 まず、アイドルを好きだった時代からアイドルになる瞬間が一個の変化があって。理想と現実は違うということに葛藤するのが1年目だったんです。用意の期間もそんなになかったんで、デビューして掴んでいくことが多くてもう学びの1年でした。2年目は、もうちょっと自分をアイドルとして意識してみようって、自分の見せ方とかを意識出来るようにやっとなったんですよ。3年目に入ってやっと変わってきました。それまでは、「群青の世界に入れてもらってる」っていう意識がめちゃめちゃ強くて。合格の経緯だったりとか、後から入ったとか、未経験だとか、自分にレッテルを貼ってるところがあったので、その型の中でしか自分はアイドルが出来ていなかったんです。群青の世界はこういうものだから、ここから出てはいけないし、自分はこういう役割だから、ここ以上のことはしてはいけないっていうのを自分で勝手にどんどん作っていって、結局今自分が見つからずにもう1年を終えそうになってるっていうのが分かったこの1年でした。好きだったアイドルさんとかを思い返しても、自信がすごいある人達ばっかだったので、群青の世界が好きっていう気持ちは、多分もう十分持ってるし、受けた時点で群青の世界をもう意識して入ってきてるわけだから、そこはもう一回大丈夫だって思って、“村崎ゆうな”をもうちょっと意識していかないとグループのためにならないなって思うんで。そういう面では、「グループに何が出来るんだろう?」をずっと考えてきた1年だったから、来年は実際に行動に移して結果に残さなきゃいけないなと思っています。自分は暗い曲が似合うとか、そういう意識が強いと、暗い曲ばっか力が入ってカワイイ曲がおろそかになるとか、そういうのも結局あったんで。そうじゃなくて、勝手に作られた枠を壊すぐらいの気持ちで自分を作っていかないと、多分自分は伸びないので、そういう風に自分を作っていきたいです。人数がそんなに多くないグループでこの系統をやるのってかなり難しいと思ってて。似たような系統だと坂道グループさんとか。この人数でやっていくにはやっぱり個性も大事だし、それをどう個人個人で活かしつつ、群青の世界を作っていけるか。私は結構アイドルさんを見てきた人生だったから、群青の世界に必要なことが分かるはずだから、それを改めてみんなの共通意識に持って行く努力をしないといけないなって思ってます。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――坂道のような大編成のあの全体の清楚なイメージってありますよね。4人しかいないとそれは中々難しい?
 

村崎 坂道さんとかの評価されてるものって、人数が多くて揃ってるところとか、個人があって曲が付いてきてるグループじゃないですか。曲も良いんですけど。そんな突飛なことするようなライブじゃないじゃないですか。そんなにライブ回数がないのも飽きない理由なのかもしれないけど、私達はライブ中心のアイドルだから、一回一回見られちゃうので。アイドルとして群青の世界をエンターテインメントじゃないですけど、最近曲とか色んな幅出してきた1年だと思ってて。群青の世界は歌詞が結構ストレートだから、ストレートに感情を乗せられるようなパフォーマンスが出来るグループだと思うので、もっと劇的に演じるぐらいの気持ちでやっていった方が良さが出るのかなって思います。
 

――4人だから個々にスポットが当たりやすいのは利点だと思いますが。
 

村崎 多分、「この人といえばこれ」みたいなのが各々でつかめていないので、それを自分個人としても作っていかないといけないし、グループとしても「このグループはこれ」みたいな。まあ、あるっちゃあるんですけど、それを活かしていかないといけないなって思います。
 

――最後に、今の群青の世界に対する気持ちを教えてください。
 

村崎 最初は、群青の世界にポンと入れてもらった感じだったけど、今は作っていかなきゃいけない。それを形に出来るまでにまだ行けてないので。多分みんな心配性なんですよ私達は。背負うものが多くなりすぎちゃってる。すぐに結果が出ないと不安になっちゃうんで。各々この1年で色々つかめてるものが多いと思うんで、来年はそれを具現化していくターンに入るっていうか。積極的に頑張ろうとは思ってます。

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