0623_5507.jpg

007​「村崎ゆうな」

photo/猿田 祐樹

text.interview/MMMatsumoto(MARQUEE)​

 群青の世界パーソナルシリーズも今回が最後。いよいよ村崎ゆうなさんの登場です。と言うのも、村崎さんは群青の世界の特徴ある資質を担うメンタリティの持ち主でもあるから。群青の世界の詞曲がただ美しいにとどまらず宿しているある種の暗さ。それゆえに気持ちに刺さることなどを思えば、これは群青の世界の特質と言ってもいいはず。村崎さんの資質はここに大いに関係する。
 水野まゆさんと共に途中加入し、今や「『うなちゃんは明るいよね』『うなちゃんはめっちゃしゃべれるし、すごいコミュ力高いね』ってよく言われる」と言う村崎さん。事実グループのスポークスマン的な役割も一部担う。また、直感的な一宮さんや工藤さんを翻訳すらもする。だけれども、そもそも陰キャだったと言う。いや正しくは、そもそもはおちゃらけた性格で歌って踊ることが好きで周りを笑わせてもいた。その彼女はやがて劣等感を抱き陰キャに。その中で多くの気づきや発見をし、そうして「自分」を見つけ出していく。例えば、昔から一律に平均値を取ることを良しとし続けている教育が個性ある人間を潰してきたことを知っていて、例えばゲームが好きで得意ならそれで世界に出ていけることも知っている。村崎さんの価値観は大多数=最大公約数とは真逆の、一個人一個人から出発していくそれぞれの考え方や物の見方=偏りの集合体を尊重していく価値観だ。
 そんな村崎さんを今回は深掘りさせていただきました。きっと頷いていただける方も少なくないと思っています。なぜ彼女がアイドルでいるか、その答えでもあります。

MENU

 

■村崎ゆうな -人物像- by 水野まゆ

水野 うなは、不器用(笑)。器用そうに見せてるけど不器用なんだなっていうのが伝わってくる。


――例えばどういう時にそう感じますか?


水野 色々言ってくれたりやってくれたりはしてて、でも同じことやってたりとか(一同笑)。「あれ?それ違くね?」みたいなのがたまにあったり。でもすごい頑張り屋さんなんだろうなって思います。見てて分りやすい。 


――グループの中で村崎さんはどういう位置付けなんですか?


水野 兄弟みたいな。うなのことを妹だと思ってて、うなもまゆのこと妹だと思ってる(一同笑)。なんでも任せられるし、任せてほしいし、みたいな位置かなぁって思いますね。


――同期感みたいなものがある。


水野 はい。


村崎 まゆとは、同期っていうよりは男兄弟みたいです。


水野 アハハハ。


村崎 だってゴツくない?なんか。姉妹っていうよりかは、男兄弟特有のちょっと変な絆を感じてます。


水野 確かに。似てるから、同じこと考えてるのかな~みたいな。


村崎 同時期に入ったから、特有の悩みも大体一緒なところがあったりしたので。


――でもそれがなぜ姉妹感ではなく兄弟感に?


村崎 姉妹は「ウフフ♡」って感じなんですけど。


水野 カワイイ感じじゃないよね(笑)。


村崎 男だからもう「肩組んで頑張ろうぜ!」みたいな。どっちもそんなに女々しい感じではないので、やる時は大体男っぽい感じになっちゃいます。


水野 ハッキリ出来る。


――サバサバですね。


村崎 自分自身が人間関係を作るのがヘタすぎて、人によって全部違うんですよ。だから、多分見え方も三者三様みたいな感じなのかなって思います。


水野 色んな化けれるんだろうなって感じです。ここも出来るし、こっちもやろうと思えば出来るし。


――そういう点では器用に見える。でもなんかよく見ると、みたいな?


水野 そうですね!(笑)オドオドしてたな~みたいな。


村崎 根が暗いから(笑)。

0623_6524.jpg
0623_6479.jpg
 

■村崎ゆうな -人物像- by 一宮ゆい

一宮 面白い人です(一同笑)。


村崎 言われたくないよ(笑)。


一宮 例えば、端から見たときに、ああ、なんか色んな面を持ってて面白いな~、飽きないな~みたいな。
 

村崎 おもちゃにされてるみたい(笑)。


――やっぱり色んな面があるんですね。


一宮 出会った頃と今とでは、全く違う見え方ですね。出会っていく中で色んな面が見えてくるじゃないですか。だから百面相みたいな(笑)感じには見えてますね。


――第一印象はどんな感じでした?


一宮 もともと知ってたけど。


村崎 一宮だけは交流あったので。


――じゃあ群青の世界に入る前と後での変化は?


一宮 変わりました。目の光加減が(笑)。


――入ってから目が死んじゃったとか?(笑)


一宮 逆(笑)。


――そりゃそうですよね。


村崎 明るくなった(笑)。


――ちなみに、一宮さんと村崎さんが会話をするとどんな感じになるんですか?
 

一宮 会話...別にしないよね(笑)。
 

村崎 私的には、あしらう感じになっちゃう(笑)。ゆいちが何か発言して、どうしてもツッコミを入れたくなっちゃうので、いてもたってもいられずにツッコむと、それを嬉しそうにケタケタ笑うみたいな。反応待ちみたいな。
 

水野 グループの立ち位置は、ツッコミ担当です(笑)。
 

――2人共会話が別のところ行ってそのまま終わってるんじゃないかと予想してたんですが、一応やり取りの形はとっていると(笑)。


村崎 ゆいちの翻訳担当みたいな感じです。


――むちゃむちゃ分かります。


村崎 よく言われます。


一宮 ちゃんとした人間ですよ!私。なんかヤバ人だと思ってませんか?(笑)。だってこういう感じにしっかり見えてるかもしれないじゃないですか。外側からしたら。その人と仲良いからしっかりしてるんです。
 

村崎 ああ、類友だから(笑)。確かに。出会った時点で仲良くなってるっていうことは。
 

一宮 そう。そういうことです。


――じゃあ、そういうことにしておきましょう(笑)

0623_7908.jpg
0623_8280.jpg
 

■村崎ゆうな-人物像- by 工藤みか

工藤 さっきも出てたんですけど、すごい頑張り屋さんだなとか、あと、自分がやりたいって思ったらやるみたいな。根がしっかりしてるなって思います。アイドルについて話し合う時も、結構考え方が一緒なところあるな~とか。ちょっと自分と似ている部分があるかもしれないです。
 

村崎 性格診断をすると、近い位置にいるのはみかちゃんが多い。
 

工藤 結構サバサバしてる感じで。あんまり私は深く考えないタイプで、うなは多分考えるけど、表に出してないだけかもしれない。
 

村崎 めちゃめちゃ考えちゃう癖があるんですけど、考えた上で、考えることを止めて切り離してます。
 

工藤 見た目サバサバに見えて、一緒にいてすごい楽な感じがします。
 

――あんまり気を使わなくていいという感じですか?


工藤 全然気使わなくて大丈夫(笑)。


――でも工藤さんは一宮さんにも気を使ってないでしょ?


工藤 使ってない(笑)。


村崎 誰にも気使ってない(一同笑)。


工藤 メンバーみんなに気は使ってないけど、ちょっとお姉ちゃん気質がうなには感じられて、全部甘えちゃうみたいなところもあります。


――群青の世界の中では、村崎さんはどういう立ち回りの人だと思ってます?


工藤 さっきのツッコミもそうですけど、お世話したがりみたいな感じ(笑)。すごい面倒見良くて「やろうか?」とか言ってくれます。


村崎 もともと妹が一人いて、長女なんですよ。だから逆にそわそわしちゃう、何かしないと。逆に頼られると自我を保てるみたいな。それでやっとやることが見つかるっていう感じなんで、自ら頼ってもらいに行きます。

0623_5566.jpg
 

■村崎ゆうな-人物像まとめ-
  村崎さんは変わってる?変わってない?

――村崎さんはちょっと変わってるなって思うところってありますか?


水野 う~ん、でもみんな変わってるかな~


村崎 アイドルなんてみんなそうですよ。


水野 でも、多分うなは、色んなものに触れて生きてきたから、知識がすごいある気がします。だから、しゃべる時の単語も豊富だし、表現しようとする時にちゃんと自分の中のレパートリーから表現出来るのかなって思います。
 

――図書館みたいな人?


水野 そうですね。色んな知識が入ってる。だから、多分趣味の話とか色んなところでみんなと話してると思います。
 

――村崎さんは、人によって話題を変えている意識はあるんですか?
 

村崎 多趣味すぎて、色んなものに触れてきたんですけど、自分の趣味を押し付けるよりかは、どっかしらにつながる共通項が一個はあるので、それしか話さないです。
 

――なるほど。一宮さんが変わってるから質問してもしょうがないと思いながら質問するんですけど(笑)、一宮さんから見て村崎さんが変わってるところはありますか?
 

村崎 でも、ゆいちは観察眼鋭いんで。
 

一宮 全部変わってるようには見えるけど(笑)、でも一番面白いのが、すぐ手匂い嗅ぐやつ(笑)。あともう一つ、私とうながケンカみたいになった理由があって。私が歩いていたら後ろから追い抜いて行ったんですよ。それで「おはよう」とか言われなかったから悲しくて、それで拗ねてケンカしたっていうのがあります。
 

村崎 カップルみたいな(笑)。
 

一宮 あと、普通の人ならこうするのかなっていうのじゃなくて、うなはズレてるから、うなの中ではそれが普通なんだけど、周りから見てるとそれが変わってるように見えるんですよ。違うレールを通って生きてるから、全て変わってるように見えます。だから、もともと地元で友達だったけど、ちょっと違ったレールにいるから、一際目立つ存在じゃないけど、私から見たらそういう風に見えてました。
 

――アイドル適正はあると思いましたか?
 

一宮 よくいるアイドルの王道アイドルじゃないけど、応援したくなるようなキャラを持ってるから、そういうのを含めてアイドル適正があると思うし、本人もすごいアイドル好きで、それをやりたい気持ちが強いからアイドル適正はあると思います。
 

――それは工藤さんとはまた違ったアイドル適正ですか?
 

一宮 みかは、「ドドーン!」みたいな(笑)「俺スター」みたいな、そういう感じがもう滲み出てるじゃないですか。うなは、ひたむきに頑張るみたいな。それで周りがどんどん認めて行って、それが散りつもになった時に「ドドーン!」てくるようなタイプ。「最初すごい暗かったよね」ってファンの人達に言われてたんですけど、今は頑張って引っ張って行こうとしてくれてる姿だったりとか、表情も明るくなったりとかで、応援してくれてる人がいっぱいいるんだろうなって思います。
 

――工藤さんから見て村崎さんがちょっと変わってるなって思うことろはありますか?
 

工藤 多分、静かになるのがダメで、ずっとしゃべってるよね。
 

村崎 緊張してるとしゃべっちゃう癖があって。常に楽屋も緊張してて(笑)ずーっとしゃべっちゃうんですよ。だから、ライブが終わると逆にすごい静かになる。特典会もある程度終わったら急にシュッて静かになります。モードに入るまでが、作れないので、しゃべってしゃべって自分を盛り上げてライブに挑んで、しゃべれる状態にして特典会に臨み、その余韻が続いて、その後に素の自分にフッて切れちゃうみたいなのはあります。
 

――じゃあ、その時はずっと静かにしてる感じ?
 

村崎 もう灰になったみたいな。スッて。猫背でMAXみたいな感じで。陰キャ・コミュ障みたいになっちゃいます。
 

――でもすごいね。自分でスイッチの入れ方知ってるっていうか、それで入るわけだから。
 

村崎 それはもうこの活動をしてて、やんなきゃいけないなっていうのを学び始めて、その結果です。

0623_7608.jpg
 

■村崎ゆうなのインナーワールド

★「保育園の短冊に『可愛くなりたいです』って書いたんです」

村崎 最初周りからずっと陰キャと言われ続けてたんですけど、そっちの方が素に近いんです。今は結構ファンの方からも外交的に見られることが多くて。「うなちゃんは明るいよね」「うなちゃんはめっちゃしゃべれるし、すごいコミュ力高いね」ってよく言われるんですけど、ゆいちが知ってる私の学生時代の頃は、その真逆の部分が強く出てました。昔は、本当にネットが一番好きだったので、学生生活でもずっとスマホいじるみたいな。なので、周りから「不思議ちゃんキャラを演じるな」ってめっちゃ言われるタイプだったんですよ。だから、自分を、個性を出したら反感を買うんだって思って、個性を封じることを学生時代に学びまくって。なので今もアイドルやっている上で、個性を出しているのかいないのかが自分でも分からなくなってるみたいな感じになってますね。
 

――陰キャは小さい頃から?
 

村崎 本当に幼少期はおちゃらけた存在でした。その頃にアイドルになりたいって思って。結構前向きな子だったんですよ。でも環境が環境で、あんまり「可愛い可愛い」って言って育てられなかったんです。家族は、私のことをネタだと思ってるので、妹も親も、結構容姿についてイジることが多くて。「お前は顔がデカイから」とか、「周りと並べると面白いね」みたいな。そういう風に育ったので、学生になると自分がアイドルをやるっていうのは恥ずかしいことだと思わざるをえなくなってきて、それでどんどん暗くなっていったんですよ。小学校の卒業文集までは「アイドルやりたいです」って書いてたんですけど、「え?お前がアイドル?」みたいにネタにされることが多くなって。なので、アイドルは自分は向いてないんだなと思ってたんですね、ずっと。でも向いてないからこそ、見返さないと気が済まないってずっと思ってて。それでどうしてもアイドルになりたかったんです。
 

――静かな根性がありますね。
 

村崎 反感を買うと、逆にそれに反感しちゃうみたいな。反骨精神が(笑)。
 

――ありますね。小さい頃からアイドルになりたかった、そのキッカケは?
 

村崎 歌って踊ったりしてみんなに笑ってもらってたんですよ、小っちゃい頃。その延長線で、みんな笑ってくれるんだったらこれが一番楽しいかもしれない、そう思ったんですよね。「可愛い」ってあんまり言われない存在なんですけど、「可愛い」って言ってもらえる存在がアイドルだと思ってたんで。保育園の短冊に「可愛くなりたいです」って書いたんです。だから、可愛いって思われたいっていうのがアイドルの始まりだったのかなって思います。
 

――では自分がアイドルになろうと思った時の決心を聞かせてください。
 

村崎 群青の世界のオーディションを受けてる時って、学生だったので、周りは就活真っ最中だったんです。でも自分はまだ納得がいかなくて、モヤモヤしてる時期がちょうど重なってたので、これがダメだったら潔く普通に就職活動をするつもりだったんですけど、運良く合格して、という経緯でした。合格したからには、私はもう群青の世界に全てを捧げないといけないって思って。だから今頑張りが空回ってるところもあるんですけど、本当に居させてくれてありがとうございますって感じで今も続けているので、「私を見てー」より「群青の世界どうですか?」みたいな気持ちの方が大きいです。

0623_0692.jpg
 
 


★劣等感、マイナスの気持ちから育まれたもの

――村崎さんは劣等感、マイナスのところが起点になっていて、反骨精神をバネにすることが出来た。その結果が今の活動に繋がっていると思うんです。で、たぶん村崎さんは劣等感やマイナスの意識があることで育まれる世界もあることを知っていると思うんです。具体的にはネットの世界にそれを見つけていったと思うんですが、そこについてはどう思いますか?
 

村崎 確かに、その劣等感に気づき始めた頃から、自分は色んなものを取り込み始めたんです。自分の今の趣味も、他の人とかだと親の影響とかが大きかったりする部分もあると思うんですけど、全く親にそういう部分がなくて。全部自分から見つけて取り込んでいったタイプです。逆に周りから感じた劣等感というものは、今は強みでもあるのかなって思ってます。アイドルになる人って、多分劣等感の強い人の方が多いと思うんですけど、その経験がないと面白くないっていうか(笑)それが逆にみんなに共感してもらえる部分でもあるのかなと思うので、常々の活動の中で、その劣等感を忘れたらおしまいだなって思ってますね。だからと言って周りを恨んでいるわけじゃないんです。そういう色んな経験を出来たからこそ色んなものに触れられたので、思い返してみたら別に悪い思い出ではないかなと思います。
 

――その一人の時間を悪いと思う人も世の中には多いわけです。教育も人とつながってることがいいという前提で進んできた、日本は。ところがネットが普及して以降特に顕著になったと思うんですけど、今やまず一人の世界が大切、その個があってこその繋がりという流れです。
 

村崎 一周回ってそっちの方が今評価されてる時の方が多かったりするじゃないですか。昔は、すごい友達が多くてキラキラしてる人が素敵みたいな感じだったのが、陰キャの方がカッコイイみたいな、わざわざ陰キャになろうとする人もいるぐらい、ダークな部分を持ってる人の方が評価されることの方が多くなってきたので。アイドル界で見ても、群青の世界のような、明るい要素を前面に出して暗い部分もあるんですけどというグループよりも、自分の闇を全開にしたグループさんの方がウケてるのを見かけるので、逆にモヤモヤするんですよ。それもそれで私は大好きだったんですよ。だからこそ、本当に実力で戦えるアイドルがやっぱり一周回ってカッコイイなって思い始めたんです。だから、群青の世界からすると、多分異質なところがあるんですよ、自分は。もともとが仮合格だったので。入れるかどうか迷ってたっていう部分が、群青の世界に合うかどうか分からなかったっていうところなので。だからこそ、群青の世界の暗めな感情の部分のエグみをちょっと出せるような存在になれればいいなって自分で思ってます。
 

――向いてますよね。
 

村崎 例えば「BLUE OVER」とか、そこに共感を持って挑めるのは自分の強みなのかなと思います。だから明るい曲より暗い曲に自分の本領を発揮出来るかなと思います。
 

――「BLUE OVER」の“僕”は世の中に反抗っていうか、攻撃をしたいわけじゃないんですよね。
 

村崎 はい、そうですね。

★村崎さんの世界観がどのように形作られてきたか

 

――村崎さんのその価値観はどんな感じで広がってきたんですか?
 

村崎 一番最初に趣味を持ったのが幼少期のアイドルだったんですけど。モーニング娘。さんから始まって。小学校でネットに触れるようになったんですよ。小学生の頃に家のパソコンとかでオンラインゲームみたいなのをやってました。外で遊ぶのが苦手だったので、そこから段々のめり込み始めて。大体の情報源がニコニコ動画みたいな感じでした(笑)。ニコニコ動画に触れてると暗い部分を摂取しやすいじゃないですか。ボカロにハマってそこで。マイナスのボカロの曲とかを聴き始めて、なんかこの曲すごい刺さるなみたいなことが多くなってきたんです。そこでアニメや映画を見ていくうちに、自分の好みの系統が分かってきて。それが高校生の頃でした。高校1、2年生の時までは浅く広くが求められていたので、結構話題についていけるようなものもちゃんと見てたんですけど、高校3年生になった時に、全部バカらしくなっちゃったんです。自分の好きなものを好きって言わなかったんですよ。周りに求められた話題だけ返すみたいなことが多くて。でも3年生になってからは、自分の好きな話題を話せる人とだけいればいいんだってなって思ったんです。そこから、すごい淡白な人間なので、結構人間関係バサって切り捨てちゃうんですよ。自分に今後要らないっていうか、居心地が良くないなと思った人はすべて切り離しちゃって。そこから自分の好きな物を見つけるのが上手くなったかなって思います。その頃見てたのが暗めの映画だったりとか。頭使うのが好きなんですよ私。映画とか見終わった後に、自分一人でずーっと考えて、こうだったのかな?こうだったのかもしれないな、って悩む時間が一番好きです。摂取している時間よりもその後の余韻が好きだったので。それが長く続くものほど好きになる傾向があります。
 

――つまり結論がはっきりしていないものというか。
 

村崎 だから、ゆいちと映画を観に行くことが何回かあったんですけど、ゆいちは映画の中で完結している映画が好きなので、私が面白いって言ったものはゆいちは面白くないって言って、私が面白くないって言ったものはゆいちが面白いって言うっていう、面白い現象がいつも起きるんです。
 

――この間も『ベニスに死す』の話になった時に、ビョルン・アンドレセンをフェイバリット人物に書いてたから、あの美少年のあの美な感じが多分好きなんだろうなって思ったんですが。
 

村崎 美が好きっていうよりかは、完成された美みたいな中にちょっとしたその人のキレイじゃない部分が見える瞬間が好きです。『ベニスに死す』も終始綺麗なんですけど、それを見てる目線側に共感してて。その美に憧れる存在だったじゃないですか。自分も可愛いって言われなかった存在だったので、だからこそそういう美の人を見ると、ぎゅーってなる。容姿にとらわれている部分があるので、すごいあの映画見た後ずっと辛くて。やっぱ美がないと見てももらえないっていう劣等感が強くなっちゃったんです。その存在に抱いた劣等感から、それが好意に変わったのかもしれないですね。
 

――多分、暗い方に引っ張られがちなんですよ人は。特に思春期の頃はそうだと思う。そういうこともありましたか?
 

村崎 でも自分の目線で語っちゃうと、どうしても相手が悪者になっちゃうじゃないですか。どうしても人畜無害な人間でいたくて私は。自分がそれを話さないでいいんだったらその人は別に誰からも悪者に見られずに済むと思って、自分が経験した悪いことは周りに話すことがあんまりないんですよ。悩み相談とかもしないです。
 

――そうなると自分の中でどんどん蓄積されていくじゃないですか。
 

村崎 だから記憶の中ではめちゃくちゃ残ってるんですけど。
 

――それは昇華されていってるんですか?
 

村崎 昇華するのを映画に助けてもらってる。映画とかアニメとか、それで同じ感情のものとかを見つけたり、自分よりも酷い感情を得たりとかして無くしてる。ザーって見えないようにしてます。だからふとした時に、その引き出しを出されるとブワッて全部出ちゃう時があります。
 

――でも今、人前に立つぐらいまでは解消してきていると言えるはずですよね。気持ちのその余裕の中で、昔はこういう自分がいたなって懐かしかったりもしますか?
 

村崎 そうですね。今明るくなったって言われるんですけど、自分を結構達観できるようになってきて最近。前は本当に、今も中二病なんですけど、中二病が酷かったな~って思います。
 

――そこを笑って話せますか?
 

村崎 そこを失ったら自分じゃなくなっちゃうので、常々忘れないようにはしてますね。その感情は。全部忘れて「自分あんなだったなーわはは」ってやっちゃったら、全部自分を否定しちゃうので、それも含めて「今もこういうところあるけどね」みたいな感じでまとめてます。基盤が、マイナスを取り込んで燃え上がってポジティブに動ける人なんで。暗い映画が好きって言うと、引かれるかもしれないんですけど、色んな理由があって映画を見てるんだぞっていうのを言いたいです(笑)。

0623_5607.jpg
0623_6634.jpg
 


★もしもアイドルになっていなかったら

 

――アイドルにならなかったら何をしていたと思いますか?
 

村崎 医療系の専門に通ってたので、もしかしたら全然バリバリ真面目に働いてたかもしれないです。
 

――それはそれで出来たかもしれないですね。
 

村崎 そうですね。私はもう学校とかでもめちゃめちゃ真面目なタイプで。「やれ」って言われたことはやり遂げたいし、真面目に頑張りたい人だったんです。仕事も、真面目にやらないとって感じで。バイトもずっとやってたらバイトリーダーになりました(笑)。
 

――責任感、強いですね。
 

村崎 仕事は仕事で考えちゃいます。今もアイドルをやってる時も「仕事は仕事」って考えすぎて割り切っちゃうところがあるので、そういう時にゆいちとかからは、仕事って割り切りすぎてるって思われてる。
 

――アイドル活動は本当に生もので複雑なところもあると思います。自分的にバランスは取れていますか?
 

村崎 悩みそうなことがあったら「でも仕事だ」って思います。だからあんまり活動自体で病んだりとかはないです。

★理想のアイドル像

――どんなアイドルになっていきたいですか?
 

村崎 好きなアイドルと憧れるアイドルって違うので。好きなタイプって本当にブリブリとした、キラキラみたいな人がめっちゃ好きだったんですけど、欅坂の頃の平手友梨奈さんみたいな、何だか分かんないけど何か惹かれるものがある、そういう存在にめちゃめちゃ憧れています。だから、ステージ上で感情を出すっていうのにこだわっているのは、そこに憧れを持ってたからかなって思います。改めてアイドルをやりたいって思い始めたのが欅坂さんを知った頃だったので。それまでは自分がそういうキャラじゃないって気付いてたから、アイドルやりたいとは思ってなくて。でも、平手さんを見てたら、自分も誰かに感情を共感してもらえる部分があるかもしれないから、そういうところで助けられるアイドルっていうか、共感してもらえるアイドルだったらなりたいなって思っています。推しメンは今泉佑唯ちゃんだったんですけど。だからなりたいのと推しメンが全然違う。
 

――今泉さんはどんなところが好きだったんですか?
 

村崎 結構平手友梨奈ちゃんがドンて感じだったけど、今泉佑唯ちゃんはセンターになることを諦めない姿勢だったりです。そういう裏で自分の何かを貫いて頑張ってるアイドルもめちゃめちゃ好きなんです。
 

――「憧れ」と「好き」がありつつ、そして自分がやるべき形を取ると。
 

村崎 そうですね。グループの色は崩さず、それでも自分の個性を認めてもらえるのがアイドルかなって思ったので、今まで出せなかった個性をちょこちょこ小出しにして行って、様子を伺ってるんですけど今は。そういうのを地道に増やしていって、アイドルとして認めてもらえるようなアイドルになれればいいかなって思っています。
 

 
0623_5529.jpg