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003​「一宮ゆい」

photo/宮本 賢一

text.interview/MMMatsumoto (MARQUEE)

 ライブ+インタビューでお送りする群青の世界×MARQUEE『青の記録』。その3回目は「一宮ゆい」。これから徐々に個別取材も交えていきます。

 さて、前回のバレンタイン企画にて「一宮さんって、ちょっと変わってる?」と幾らか奇行振りが内部告発され、このままでは「一宮ゆい=奇人」のイメージが先走りそう、という懸念から今回はまず、前半に「一宮ゆいを讃える会」と称し、他4人のメンバーから見た「一宮ゆいのここがいい!」をテーマに修正します。

 が、しかし、やはり事の真相は気になるとのことで、改めて一宮さんの奇行にも迫ります。

 そして後半には単独インタビューを。一宮さんの本来描くアイドル像に迫り、アイドルに行きついたルーツまでを深掘りします。

 結果、とりあえず「奇人」から「計算高い女」まで格上げしたかと思うのですが、グループの中心人物とも言える世界観(それは無邪気で天性のアイドル気質とも言えるもの)を持つ人物なだけに、今後回を追うごとに「一宮さんこそアイドル!」等、伸びしろ無限大で格上げかと。

 ということで、群青の世界がシリアスに行き過ぎず透明感を持つ理由かもしれない一宮さんに迫ります。

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■「一宮ゆい」を讃える会:村崎ゆうなの場合

村崎 一宮は、奇行に隠れてあんまり伝わっていないと思うんですけど、めちゃくちゃ気配り屋なんですよ。人への優しさをめちゃくちゃ持ってるなって思います。そんなこと気にしないよ〜みたいなところも気にするんですよ。

——例えば?

村崎 イジりで勢いで言ってしまったことを後から「あん時のあれ、傷ついた?」みたいな(一同笑)。「ごめんねー」みたいな感じで謝ってくれるんですよ。でも、全然イジってくるんですよ、その後も(一同笑)。

——イジってると気持ちいいなみたいな?

一宮 笑ってくれるのが楽しい(一同笑)。

村崎 いや、一番笑ってるよ?(笑)。イジってる時の笑顔がすっごい無邪気なんですよ。

一宮 イジった後の返しのツッコミが面白くて、それでなんかイジっちゃう。

村崎 ツッ込まざるをえないです。ボケとしては優秀です、めちゃめちゃ。コンビ組みたいぐらい。ボケNo.1。

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■「一宮ゆい」を讃える会:横田ふみかの場合

横田 アイドルに対しての良い意味で執着があって。例えば、SNSに載っける写真とか私は結構撮った後に「もういっかなー」ってなっちゃうんですけど、ゆいは細かいところまでこだわったりとか、そこまで自分のアイドル像を持ってるんだなって思います。決めたことはすぐ行動するし、その行動力がすごい。自分の中でこうなりたいっていうのがあるんだろうなって思います。

 

村崎 髪の毛とか決めんのめっちゃ早くて。気分がガラッて変わったら、すぐ予約してすぐ行くみたいなのは目立ちますね。

 

工藤 フットワークは軽い。

村崎 いつ呼んでも来てくれそうな感じはあるよね(笑)。

 

一宮 もうフッ軽です(一同笑)。今行動しなくていつ行動するんだって感じなので。

 

——生き急いでますか?

 

一宮 今のうちにやっておかないと。

 

——発言が若いですね(一同笑)。写真選ぶにしても角度とか、何かここぞっていうポイントがあるわけですよね。

 

村崎 「ちょっと幼い感じに見せたいから、幼く見えるように撮って」とか、「今日は大人っぽく」とか決まってたりします。

 

——パッとひらめく感じですか?

 

一宮 「あ、この子カワイイ」って思ったら、「この子になりたい」って髪の毛切っちゃったりとか。「この黒髪ロングの子カワイイ」って思ったら、エクステつけて髪染めてって、その時によって性格変わっちゃうんで、その時で変えちゃいます。

 

——迷わないんですね。

 

一宮 別にそんなに重く受け止めてないっていうか。「別に失敗してもいいや〜」みたいな。

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■「一宮ゆい」を讃える会:工藤みかの場合

工藤 すごい繊細な心を持ってて、考えが深い。ひとつの物事に対して、私だったら「こうすればいいや」みたいな楽観的な感じなんですけど、すごい深く深く考えて。

——深く深く考えて、どんどん迷宮に入って行って逆に迷う人は多いですけどね。

 

一宮 深く深く考えてたら、すごい落ち込むことが多くて。工藤みかを見習って、最近は楽観的になるように思考チェンジしてる途中なんですけど。

 

工藤 それは分かるでも。

 

横田 前と違うもんね。考えっていうか、変わったなって。

 

工藤 色々な考え方を持ってて。私が好きな名言があるんですよ。「人は死ぬ直前になって自分の人生を生きていないことに気付く」みたいな。それについて私は、自分が死んじゃう時に、他のことに対してばっかりで自分が本当に好きなこととか出来なかったら嫌だって思って響いたんですよ。でも、ゆいは、自分が死んじゃう時に悲しむのも他の人達だし、みたいな感じで考え方が180度違うんですよ。

 

——どっちもどっちだね(一同笑)。でも工藤さんから見ると、一宮さんは深く物事を考えている風に見える?

 

工藤 本当に私が多分、あんまり考え事をしないタイプなので、すごい考えてて、すごいなって思います。だから見習って、一つのことに対してももうちょっと考える、興味を持とうって思います。

 

——でも、一宮さんいわく、あんまり考えるとネガティブにしかならないって言ってますよ(笑)。

 

工藤 う〜ん、どうしようかな(一同笑)。

 

村崎 その中間ぐらいで止めていけばいいんだよね。

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■「一宮ゆい」を讃える会:水野まゆの場合

水野 やっぱプロ意識がすごいかな。自分の中の自分のアイドル像っていうのがあって。ステージで泣かないとか、自分をちゃんと持ってるんだなって思います。

 

——一宮さんがしっかりしてることでのグループ全体にとってのメリットというと

 

水野 わりと感化されることはありますね。「ああ、すごい」って思ったらたまにマネして(笑)。参考にさせてもらってます。

 

——水野さんは自分を持ちたい?

 

水野 持ちたいですね。私は、自分が理想とするアイドル像っていうよりかは、みんなが理想としてるものになろうとしてる感じなので。

 

——一宮さんはその点で、他人のことはどうでもいいと(笑)。

 

水野 ていうか、自分が楽しむのが多分一番いいというか。それにみんなが「ああ、楽しそうだな」って思ってついてくると思うし。そこがすごいなって思います。

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■一宮ゆい、奇行の真相

村崎 お泊りに行った時に、コンビニで色々物買って、お金の入った封筒も入れてて。それを家に持って帰るまではよかったんですけど、多分ゴミ袋と間違えて、その全部が入った袋をゴミ箱に捨てて。途中で「無い!」って気づいて、もしかしたらゴミ箱かもしれないって見に行ったら案の定パッて置いてあって、めちゃめちゃビックリしました。そんなことあるんだな〜って思いました。

 

——忘れ物、多い人ですか?

 

一宮 多いですね。小学校の時、学校にある公衆電話で親に電話して「持ってきて」とか。色々忘れてました。忘れないようにしようって思って前日の夜から置いとくんですよちゃんと。玄関に。それを忘れちゃいます。

 

——それが今も続いていると

 

横田 でも最近慣れてきちゃって。私達もそれに対応しちゃってるから、あんまり変て思わなくなって、軽く流すようになってきました(笑)。一緒になって楽しんじゃうタイプなんで。

 

村崎 でも笑いのツボが未だに理解出来てないとこはあるよね。

 

横田 デビュー当時から、ゆいとみかはわりと笑いのツボが一緒なんですけど、3年前くらいから、めっちゃ笑ってるのを見て、何が面白いんだろうって(一同笑)。

 

工藤 つらい(笑)。

 

一宮 つら〜い(笑)。

 

横田 わりと小学生っぽい些細なことでツボに入っちゃうのかな?

 

一宮 他人のくしゃみとか。

 

工藤 確かに〜!

 

一宮 くしゃみ聞こえたらこうアイコンタクトして、笑っちゃう。だって面白いから(笑)。

 

横田 変顔とかでめっちゃ笑う。TikTok見てて、これゆい絶対面白いと思うわって思って後で見せて、めっちゃ笑ってるんですよ。分かってきました最近(笑)。

 

水野 すごいビックリしたのが、特典会で、全く話してない関係ないことをチェキに書いてるみたいなのは結構聞きますね(一同笑)。

 

——その時に思いついたことを書いちゃう?

 

一宮 なんか書いとこ〜みたいな(一同笑)。こんなの書いたっけ?みたいなの結構ある。

 

村崎 怖い(笑)。怖すぎる。

 

工藤 私の家族、兄弟感に似てるんですよ。いつもファミリーみたいな感じで、私の兄弟とも仲良くて。「変わってる」とははあんまり思わないかもしれないですね。

 

——一宮さんは、ファンの間でもちょっと変わってるなって思われてるんですか?

 

一同 思われてる。

 

工藤 なんかたまに相談きます(笑)。「あの時ああやって言われたんだけど、これってどういう意味だったのかな?」って(一同笑)。

 

村崎 最近私気づいたことがあって。この奇行は全て発達途中の幼児と同じなんです。言葉を覚えたての頃みたいなので、気がついたら全部言葉に出すんですよ。まだ発達途中の段階で、どんどん伸びていくんで、言葉を今吸収している段階なんだと思います(笑)。

 

——大人になれるでしょうか?

 

村崎 なれると思います。

 

一宮 「吟じます」みたい。

 

村崎 こういう感じです(笑)。でもそれが良さなんで、成長しないでほしいなみたいなところもあります。

 

——一宮さんは、群青の世界にとってどういう存在なんですか? 仮に、この人がいなかったら。

 

横田 もう成り立たない。

 

村崎 入り口です。扉。群青の世界の一歩目がまず一宮ゆいみたいな感じ。

 

工藤 群青の世界の雰囲気、一宮ゆい、みたいな。爽やかさもそうだし、強さもあるけど全体的に柔らかいイメージ。

 

水野 やっぱり華があるなって思います。ゆいちゃんがセンターに行くとしっくりくる。あとは度胸がある。輝いてるアイドルっていう感じですね。

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■一宮ゆいが描くアイドル像

——一宮さんが描いているアイドル像を教えてください。

 

一宮 存在しないみたいなイメージは最初は持ってました。手が届かない存在みたいな。魔法使い的な(笑)。

 

——そのイメージのルーツというと?

 

一宮 最初アイドル好きになったキッカケがAKB48さんだったので、圧倒的なもう手が届かない存在じゃないですか。渡辺麻友さんとか、あと、ももちさんとか、グループは違うけど。“THE アイドル”って言われてる人達はこういう人達なんだろうなって思って、そこからアイドルの定義みたいなのが自分の中で定着していきました。

 

——要は渡辺麻友に何を見たかなんですが

 

一宮 可愛くて、ずっと笑顔で、完璧で、みたいな感じ。ももちさんとかってちょっとイジられキャラみたいな感じだったじゃないですか。でも私は全然そんな風に思ってなくて。逆にこんなちゃんとしてるアイドルってすごいなって思ってたんですよ。みんなとは違う視点で見てたかもしれないです。知らないうちに。だから「おとももちー」とかやってたし、ぶりっ子のこととかめちゃめちゃ可愛いなって思ってました。

 

——一宮さんがアイドル好きになったルーツに家庭の影響もあったと思いますか? ちなみにお母さんは元アイドル、ではないですよね?

 

一宮 ないです(笑)。けど、母はアイドルとか多分カワイイ人は好きだったから、「カワイイ、カワイイ」って育てられたので、それが当たり前になっちゃったのかもしれないです。親がピンクとか好きだったから(笑)ピンクの洋服をよく着てましたね。

 

——でもその後学校へ通うようになって「え?ピンクじゃないの?みんな」みたいな自分への気づきはありませんでしたか?

 

一宮 その逆で、親がピンク、ピンクみたいに言ってたんで、中学の頃はピンク好きじゃなかったんですよ。

 

——お、反抗期ですね(笑)。

 

一宮 多分。だから、黒い服とかストリート系を今も好きで着ることがあるのは、その頃に由来しています。でも、アイドルを始めてからかな? またピンク好きになりました。

 

——でも、黒とかストリート系みたいなちょっとエッヂの立ってる感じが一宮さんの中にはあるということなんですよね?

 

一宮 あるんですけど、それもまた親由来で(笑)。黒をすごい好きだったんですよ。落ち着いた色とか。そればっかり着てたら、「またこういう地味な服ばっかり着て〜」って言われて、それで色んな違う色の服を着てみようって思って、黄色のパーカー買ってみたりとか、バリエーションはその頃広がりましたね。

 

——アイドル像の話に戻りますが、群青の世界に加入する頃には一宮さんなりのアイドル像が出来ていたと思うんです。その頃のアイドルイメージを教えてください。

 

一宮 アイドルを始める前は絶対に、わるきー、渡辺美優紀ちゃんのピンクいフリフリみたいなアイドルになりたいって思ってました。

 

——そのイメージを持って群青の世界に加入したと。

 

一宮 そういう系だと思いました。けど、オーディションの時に、坂道とかそういう名前が出てたから、ちょっと最近流行りのグループになるのかなって思ってて。でも想像つかなかったです。

 

——最初に持っていたフリフリのアイドル観が群青の世界ではどう活かされているんですか?

 

一宮 活かされていないと思います。

 

——そこは封印しているんですか?

 

一宮 はい。

 

——じゃあ、ソロコンやワンマン中のソロパートで、ピンク色のフリフリを着て思いっきりTHE アイドルしてみたいとか?

 

一宮 やりたいです。

 

——アハハハ。それは見たい人いっぱいいると思いますよ。で、群青の世界でなぜそれを封印しているか、そこに一宮さんのどんな思いがあるかを教えてください。

 

一宮 今は、固めてる途中なんですよ、きっと。ある程度行っちゃえば好きなことは出来るから、今は群青の世界という基盤をちゃんと作る為の準備段階だから、だと思います。

 

——こうすればこうなるというのが見えるから、このタイミングでこれやった方がいいという判断になるんだと思うんです。そのセルフコントロールについては?

 

一宮 してる時もあるし、周りがやっぱりいい人が多いから、それに甘えちゃってる部分もあるかもしれないです。「これ言ったらこうなるだろう」は考えずにとりあえず発言してみて、ダメだったら「ダメ」って言われるし、みたいな。その時によります。

 

——でも、このタイミングの群青の世界はこういう風に打ち出した方がっていう方向性が決められたら、その為に何をすればいいか分かっちゃう人なんじゃないですか?

 

一宮 ああ、分かるかもしれないです。

 

——じゃあ、群青の世界の世界観を客観的に見て、どう思いますか? まるで他人事のように話していただけると嬉しいです。

 

一宮 結構綺麗だと思います。「透明感」というよりも「汚くない」っていうか。自分達を上に上げるわけじゃないけど、もし群青の世界がこの辺にいたとしたら、ちょっと一歩引いちゃうかもしれないです。

 

——つまり、綺麗という言葉の中にはちょっと近寄りがたさ気高さもありますか?

 

一宮 結構ルールも多くて。TwitterとかMCはこんな感じって決めてる空気感があるからこそ、他のアイドルグループさんみたいに突拍子のないことはあんまりしないし、守られてる感じですね。塀があるみたいなイメージ。

 

——そういうあり方は好き?

 

一宮 好きです。

 

——今アイドルは多様ですが、やっぱり俗っぽい感じは好きではない、という意味ですか?

 

一宮 だってアイドルってそんな...

 

——...つまり超越してる感じであってほしいというか?

 

一宮 はい。だからTwitterでちょっとアイドルらしからぬ事や発言をして人気になっている人とか見ると「今のアイドルってなんだ?」って思って。それで元気なくなっちゃったりもします。

 

——群青の世界はどうやったらもっと人気が出ると思ってますか?

 

一宮 う〜ん、現実的な話になっちゃう。名前を知られる為に何かしらのことをして、あとは、基本的に「楽曲派」って言ってるから歌もちゃんとボイトレするし、ダンスもちゃんとするし、メンバー1人1人のキャラ付けちゃんとして、っていうちゃんとしたアイドルグループになりたい。あやふやな感じじゃなくて。とか、そういうちゃんとした方向性を決めつつ、1人1人の個々を強くすることかなと思います。個人的には、SNSも気分でやったりやらなかったりしちゃうから、もうちょっと継続的にしたりとか、1つのことに対してもっと本気でやらなければと思ってます。なんかすごい計算高い女みたい(笑)。そういう話しかしてなくないですか、今日?

 

——はい(笑)。でもまだあと9回ありますから、挽回しましょう(笑)。

 

一宮 みんな大好きだよー!

——計算高いですねー(笑)。

 
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